一度も見たことありません

つばめとかさくらとかかもめはやぶさみずほ等々、昔から走っていた特急の名前が、縁もゆかりもなさそうな線区で復活再使用される例が増えています。それについて、別に異議を差し挟むつもりはないですが、聞いた者が(あれ…?)と首をかしげるような【おフル】の名称を使い回すより、せっかく新しく走らせるんなら新しい名前を考える方が清新さが増してイメージも上がるんじゃないかと思います。

まぁ、そうそうピッタリな名前もあるもんじゃないんでしょうけど、北海道まで直通する新幹線なら例えば【はばたき】なんて白鳥のイメージが連想されて悪くないんじゃないかなぁ、なんて思います。けど、これ、ライバル(旅客機)につながっちゃうイメージがダメなんでしょうね。実際に飛行機みて羽ばたきを連想する人なんていないと思いますし、だったら白鳥や雷鳥だってダメじゃん、と思うんですが、あれこれ考えるのもメンドくさいし、ま、いっか。

で、なんだって唐突にそんなこと考えたのかと申しますと、

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特急ひびき。

どういうワケだか【ひびき】だけはどこにも復活再使用されません。おそらく新幹線の騒音振動訴訟がトラウマになって、それ以後この単語がタブーになった、なんてあたりが真相なんじゃなかろうかと想像しておりますが、それ言い出したら【こだま】だって似たようなもんじゃないんでしょうかねぇ(笑)。

まぁいいですけど、ひびきはご覧のとおり準急日光用の157系電車で運転されていました。何故かといえば、ひびきに回せるだけの151系電車がなかったから。こだま・はと・つばめだけで手一杯だったんですね。(36-10で富士(東京宇野)とかおおとり(東京名古屋)なんてのが151系で増発されても、ひびきは157系のままでした。)

151は冷暖房完備で固定窓でしたが、157は準急用なので冷房化の準備はしてあってもクーラーは未搭載、窓は開くけど冷房と同じ涼しさってワケにはいかない、従ってひびきは夏場だけ冷房代を値引いた割安特急券で乗せる列車でした。

ところが、以前もご紹介したように残念写真には157でないひびきがいくつか写っています。

手書きの列車表示をつけたひびき、1961年の初夏頃、場所は東京駅14番線。
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背後の15番線にも151系電車が停まっていますが、ひびきの発車時間から考えると出発便か到着便かはっきり判りません。

次のカットは翌62年の春先、蒲原由比興津のあたりでしょう。
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こちらはこだまやつばめと同じしつらえの列車表示が取り付けられています。

蛇足ながら隣の貧弱な道路、信じ難いことに国道1号線ですよ、これ。

んで、ここからが本題。まがりなりにも151系電車で運転したんなら、大阪方先頭車につながっていたのはクロ151、当時の本邦最高級車だったパーラーカーです、いちいちつないだり外したりしない筈ですから。

そいでもって、そのパーラーカーに乗るには1等の特急券&乗車券のほかに特別座席券なる高額料金(1,800円也)が必要でした。

 ↓ この切符です。
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大卒初任給が20,000円~25,000円の頃ですから1,800円ったら相当な金額です。

ま、金額のハナシはさておき、この特別座席券、こだま・つばめ・はとの実券はときどきオークションなんかに出てくるんですけど、ひびきの券はこれまで一度も見たことがありません。

ひびきは157系で運転される特急でしたから、151が走るのは臨時のスジ、157が全検とか事故で修理中とかそういう事情がなければ登場しなかった筈ですが、事故はともかく全検は作業計画があるんですから151を充当するタイミングはあらかじめ決まっていたと思います。

だとしたら、特急券だって151の座席数に合わせて売る筈で、ひびきの特別座席券が残っていてもおかしくないと思うんですが、本当にこれまで見たことがないんですよ。

で、ここからはまつしまの想像なんですが、ひょっとしたら、ひびきが151で走るときはパーラーカーの特急券は売らなかったんじゃないのかなぁ、なんて。

まだ収支が赤字に転落してボコボコに叩かれる前の、いわば絶頂期の国鉄ですから、イレギュラーなケースにいちいち余計な手間をかけて僅かな料金収入を確保するなんてケチくさいマネは最初からする気がなかったんじゃないのかなぁ、と思うワケです。

確かに1,800円は大きな金額ですが、座席数は僅か20席そこそこ、全部売れたって本来の1等座席数の1割にも満たないんだから多寡が知れている、151が臨時でひびきのダイヤに入る度に指定席の予約台帳を差し替えるなんて、メンドくさいし、第一まちがいの素になりかねない。

だから151のひびきではパーラーカーの特別料金は最初から見なかったことにして、1枚も売らない。

繰り返しますが、これはまつしまの想像ですからね。決して事実ではありません。けど、当時の国鉄だったらあっても不思議じゃない措置にも思われます。なんせまだMARS(座席予約販売システム)がなかったんですから。いや、ありましたけど、ようやっと開発の緒についた段階でレベルでいえば寝返りができたくらい、ハイハイはまだだいぶ先、という程度で、実用にはまだまだ遠く及ばないシロモノでした。

当時、全国の特急急行の指定席と寝台は本社の予約台帳が一括管理していて、そこから電話と手作業によって全国各駅に割り当てられていたんです。まつしまが小学校にあがる頃は、福島駅で上野までつばさの特急券を買うのは母や父にとって下手すると半日仕事だったんですよ。窓口に並んでから切符が買えるまで1時間で済めば超ラッキーだったんですから。

在庫データ―をチョコチョコっとインプットしなおせばそれで終わり、の現代とはまるっきり状況が違ってたワケで、手書きの台帳に【ときどきイレギュラーで混じる特別座席券】なんてバカ正直に書き加えたら、却って間違いが起きた可能性の方が高かったんじゃないか、なんて。

そういった次第で、151系のひびきもなかなか珍しい写真なんですが、ひびきの特別座席券は(ひょっとしたら)幻の指定券なのかもしんねーなー、と想像をたくましくするアホまつしまなのでありました。

おしまい





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コメント

Champcar97

151系ひびき
まつしまさん、こんばんは。
151系の「ひびき」、不勉強で知りませんでした。
1961年の151系は多分11両編成なので、座席数は157系より多かったと思います。
その為、イレギュラーな運用だった151系「ひびき」では、
まつしまさんが想像されているように、パーラーカーの座席は販売されなかったかも
しれませんね。

急行まつしま2号

食堂車とビュッフェ
Champcar97さん:こんにちは、コメントありがとうございます。

151系って年度によってサシとモハシ込みで11両だったり12両だったりするので一概には言えませんが、それでも残念写真の頃の157系は日光と別運用の単独10両編成(基本6両+付属4両)だったようなので、151の方がクロの分だけ定員が少なかったのかもしれません。

ときどきイレギュラーに151が混じった、というのが実態でしょうから、ワタシの想像もあり得ないハナシじゃないかも、というところです。そうでなきゃ半世紀も切符集めてるのに一度も見たことない、ってのは、やっぱおかしいと思います。
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急行まつしま2号

2019/8/12 に Yahoo blog から移ってきました。2008/3/28 から活動しています。

残念写真はFH君(高校時代の同級生)の叔父さん(故人)が1960~62年にかけて撮影したもので、まつしま(以下、管理人という)は約40年前、高校卒業時にそのベタ焼きスクラップ帳をFH君から預かりました。

約半世紀が過ぎ、管理人にも終活準備の必要が迫ってきましたが、どの被写体もこのまま埋もれさるのはあまりにも惜しいと考えて公開を決意しました。

全ての記述と残念写真を除く全ての画像は、管理人によるものとお考え下さい。従って、残念写真に対する苦情・異議等は、いっさいお受け致しかねます。この点、あらかじめご了承頂くとともに、不同意の方の閲覧は(たとえ記事が全公開に設定されている場合であっても)お断り致します。

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なお、上記の点は、全て【管理人の固い意思】であって【どなたからどのような種類の申し入れ等があっても応じない】こと、及び【どなたとの議論にも応じない】ことを、あらかじめ明記しておきます。

これらの方針に同意されない方の閲覧は当方から固くお断り致しますので、どうぞ速やかにご退出ください。

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原則的に【来る者は拒まず】が基本スタンスですが、ただし、管理者に対して過去に敵対的言辞等を執った事実のある者からの再接触等は、たといそれが当該敵対的行動の撤回及び謝罪並びに釈明等であっても、その全てを拒絶します。

もし釈明や和解の必要を感じたなら、その時点で直ちにそう処置した筈であり、またそう処置すべきでもありました。それをしないまま再接触を図るということは、

①なんらかの意図があって、非敵対的な態度を偽装もしくは隠蔽している

②記憶力に欠陥のある攻撃的性格

上記①または②のいずれかと考えざるを得ません。すなわち将来に於いて再び敵対的言辞を吐き散らし敵対的行動を執る危険性が極めて大きい者である可能性を窺わせる者である、と見做し得るわけで、そういう面倒くさいヤツと関わり合うのは金輪際願い下げ、二度と御免蒙ります。

そんなヤツに愛想笑いなどする気は全くありません。見つけたら直ちに叩き出して塩を撒くので、そのつもりで。

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